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Inter BEE 2019 / DCEXPO 2019に参加してきました

 11月13日から15日まで幕張メッセで開催されていたInter BEE 2019 / DCEXPO 2019に参加してきました。

大学の授業の休講の代わりという形で参加したのですが、想像以上に興味深い展示が多かったので記事として残しておくことにしました。まわることができた展示の中からいくつかに絞って概要と私の感想を簡単にまとめようと思います。

 

※11.18 追記

同行した友人の情報も合わせて一部修正しました。

  

筆者は

某大学情報系に通う学部3年生です。普段は情報工学を学んでいますが、高校生の時分からAE等を用いながら動画編集に取り組んでおり、映像コンテンツに対して興味を強く持っています(最近動画編集はサボりがちですが...)。

一方で、VR/ARといった新たなデジタルコンテンツにはあまり関心を持っておらず、だいぶ乗り遅れてしまった感があります。全く事前知識等を持たずに参加したので、「一般人から見た最新デジタルコンテンツ技術」くらいに読んでいただければと思います。

 

Inter BEE / DCEXPOとは

Inter BEEとDCEXPOは別のイベントですが、同時開催されており来場者は自由に行き来することができます。

InterBEEは音・映像・通信に関する国内最大級のイベントです。詳しくはHPをご覧ください。

www.inter-bee.com DCEXPOは動画や音楽・ゲームなどに関わる先端コンテンツ技術とデジタルコンテンツをテーマにした国際イベントです。こちらも詳しくはHPをご覧ください。

www.dcexpo.jp

 

今回はDCEXPOを中心に回りました。大学の講義で紹介されていたイベントがDCEXPOであり、まわる時間も限られていたためです。

 

各展示の感想

ビジネスを強く意識したものから大学院生の研究まで幅広く扱われており、手作り感満載のものもあれば実際にリリースされる予定の製品も展示されています。ここからは回った展示の中から興味深いと感じたものを簡単にまとめます(今回は記事を書くつもりがなかったため画像を全く用意していません、すまぬ)。

Looking Glass 8K

Looking Glass Factoryが発表した3D映像を映し出すことができる卓上型ホログラフィックディスプレイです。反響が大きく他の記事もたくさん書かれているので本記事では詳細は割愛しますが、このディスプレイはすごいです。2Dディスプレイと変わらぬ薄さと映し出された映像の綺麗さ、精巧さに驚かされました。これまでの飛び出す8Kテレビとは異なり、3Dモデルの立体がきちんと全部描画されているらしいです。

3Dモデルの立体が描画されている様子はTwitterで検索すると出てくるのでぜひ見てみてください。

余談ですが、エヴァの発令所に出てくる「警告」というホログラフィックが作れたらすごいんだろうなぁと昔から考えていました。現実になりそうで開いた口が塞がりません。

Blinky

アルファコードが出展したBlinkyはVRコンテンツの作成から配信・販売までを一つで行うことができるプラットフォームです。体験では、アルファコードが以前に作成した工場見学VRコンテンツの視聴とVRコンテンツの編集操作を行うことができました。

既にサービス展開していることもあり、コンテンツとしてのクオリティはとても高いです。

工場見学のVRコンテンツは実際に工場内部にいるような感覚を味わいながらしっかり説明を聞くことができました。工場見学は説明の声が機械の声で聞こえなかったり、説明している部分以外はあまり見ることができなかったりします。また、衛生面から入れない・入るのにいろんな処置を施すといった手間があります。こうした問題に対してVRの場所を選ばず個人で体験できるという部分が適していると感じました。

VRコンテンツの編集操作はUIが練られており、「これなら未経験者でもすぐに始められる」と感じさせるほど直感的な操作が可能でした。既存の動画編集ソフトにおいて初心者が障壁と感じがちな操作の煩雑さを改善しているのはとても良いと感じます。

また、8Kリアルタイム処理VRライブストリーミングも行なっていました。「来たる5Gの世界を見越して」とのことですが、これが実現すればスポーツやライブ観戦がVRでできるようになるんだと思うと楽しみです。

仕掛け絵本

首都大学東京システムデザイン研究科IDEEA Lab.に所属されている院生の方が作成された「インタラクティブ仕掛け絵本」です。電子回路などを一切持たない紙の絵本とデスクライト型のプロジェクタカメラシステムを用いています。ギミックについて(あまり語るとネタバレになってしまいますが)、腕を本の上に置くアイデアは自分の行動が反映されており紙ではできない良いアイデアだと感じました。絵本を読む(大人視点から見た)退屈さが無く、ビデオゲームとも違った新しい体験でとても面白かったです。

電気刺激による味覚操作手法

電気刺激を利用することで、食べているものの味を変化させる技術です。展示では実際に電極をつけて卵やスポーツドリンクの味の変化を体験しました。味の変化は「濃い→薄い→濃い」のように濃淡で感じることができました。体験中電気的なものは感じることはなく、ただ味だけが変化しているような感じです。この展示は東京大学大阪大学明治大学の学生によるもので、アイデアは比較的単純なんですが、それを思いついて実際にやってみることに同じ大学生として感心させられました...(すごい...)。

キックウェイ

ハシラスが展示している「キックウェイ」はパーソナルモビリティ型VRライドデバイス、という区分がされるそうです。早い話がVR版ジェットコースターです。セグウェイのような形状のデバイスに実際に乗ると、映像効果とデバイスから吹き付けられる風によって本当に走っているような感覚が得られました。乗っている間は気がつかないんですが、デバイス自体はほとんど動いていません。映像や風・振動など複数の要素を用いることで疾走感や遠心力を演出しているようです。一方で、無重力感(ジェットコースターのふわっとするやつ)はもう少しかな、と感じました。アーケードゲームであればすぐにでも実現できそうで商用化への期待も高いと思います。

ピクセルごとに色や不透明度を調節できる透明ディスプレイ

Adobeが出展していたディスプレイです。ピクセルごとに色や不透明度を調節できるので、ディスプレイの置いた物体を活かした映像を流すことができます。また、タッチにも対応しており、タッチしたところだけ変化させる、ということも可能です。紹介された時は商品のディスプレイに使えると伺ったのですが、何かもっと有効な活用法がある気がしています。

終わりに

VR/3Dを中心とした技術が大半を占めますが、他の技術を用いたものもあり飽きることはありませんでした。僕が影響を受けやすいというのもあるんですが、「VR/ARに面白いコンテンツがたくさんある」というのを強く意識させられました。VRやARに限らずコンテンツを支える技術の最新動向を一度に見ることができる点で、DCEXPOやInterBEEに参加する意義は大きいと感じます。

 

あとがき

私には文字ベースより情報量が多く他者に伝えやすい、という理由で映像に手を出した過去があります。VRやARはその映像よりもさらに多くの情報を他者に伝えることができるという点で私にとって非常に興味を引く分野です。

最近はスポーツやゲームの配信技術にとても興味を持っており、これにVR/ARを活かせたらより楽しめるメディアが出来上がると思っています(実は春は強化学習よりこれに取り組みたかった)。今後は機械学習だけでなくVR/ARといった分野のキャッチアップもしていこうと思います。

 

P.S.

テストの感触が悪い&寝不足で不機嫌な僕と一緒に回ってくれたみんな本当にありがとう。

もし写真あったらください...。